【コラム】HBAサマーセール2025レポート(後編)
こちら、HBAサマーセール2025レポート(前編)、HBAサマーセール2025レポート(中編)の続きになります。
2日目
リボンチャンの2024
さて、2日目。この日は朝から雨で一斉展示の終盤までは小雨ぐらいで持っていのですが、最後のクルーになると雷雨が来てしまい
馬が暴れて危険なので最後のクルーの展示は中止となりました。
ただ、初日よりは比較的お客さんの数も多く、セリも盛況で中々狙った馬を買える隙がありませんでした。
そんな中で、ダノンレジェンド産駒の397.リボンチャンの2024が600万円で主取りに。
中編で書いた通り、牝馬は500万くらいの予算で見ていたので見送ったのですが、
「えっこれ主取りなの?この馬は600万でも安いぐらいの馬だと思うけど~」と軍師田中淳司先生。
すかさず私一人で再上場を申し込みに行くと、同じ事を考えている人が多かったのか、その場で3人ぐらいの購買希望者が鉢合わせる事に。
その中の兵庫の先生を連れていた方が場を仕切り出して、「あっちで競っても仕方ないから、ここで白黒付けようや」と。
えー、こういうの嫌だなあ、怖いよう。
「オレは500万で申し込もうと思っとったけど、あんたらは幾らや」みたいな事を言われ、
「じゃあいいです…」と1人は引いたんですが、自分はどうしても欲しい。
でも前日みたいに10万単位ではさすがに言いずらいなあ思って「じゃあご、520万で…」と言ったら、
「生産者も少しでも高く買ってもらった方がいいだろうから、あんたに譲るわ」と520万で再上場の申し込みを取り付ける事になりました。
怖かったよう、気まずかったよう。
ところがその数分後、生産者の方が僕の元に謝りに来て、
「先ほど話し合いで520万で再上場と言う事だったんですがその前に別の方から電話で先に450万円の再上場の申し込みがあって
別の牧場スタッフがそれを承ってしまったみたいなんですよね
なので申し訳ないんですけどやっぱりセリ場で競って買って頂けませんか?」という事になりました。
そして、セリ場を観察しているとどうもさっきの兵庫の調教師を連れていた方はこの再上場馬が出てくるまでの間に
別の馬を高額で落としていたので、もしかしたらこの馬競って来ず話し合った価格より安く買えるかも?と思いました。
ただ、あの場に鉢合わせた方々と生産者は私が520万まで行く事を知っていると思うので、釣り上げられないように裏手に隠れてセリに参加。
こうして450万で出て来たので、460万で応札したら、案の定誰も競って来ず落札。やった!!
「なんやあんた、さっき520万で再上場申し込むって言ったやないか!」とかさっきの方に怒られないかなと頭をよぎりましたが
このようないきさつがあったので仕方ありませんよね。
しかし、こんな良い馬が460万円で買えるのは本当にラッキー。
夜道はちょっと気を付けないといけないかもしれませんが 笑
映像では再上場馬を横取りしただけのように見えたかもしれませんが、裏ではこういう大変な苦労がありましたよ~という事をお伝えしておきたいと思います。

キタサンスズランの2024
2日目は結局上記の馬以外は買えずセリも終盤に。
すると川島洋人先生が席に現れ、468番のベストウォーリアはどうか?と。
これまで洋人先生には、基本的には軍師厩舎に入りきらなかった馬や、
私は気に入ったけど軍師があまり気に入らない血統の馬などを中心に引き受けてもらっていたのですが、
洋人先生に馬を買ってくれと頼まれるのは初めてでした。
これ、ちょうど雷雨で一斉展示が中止になったクルーの馬であり
実馬を見ていなかったんですよね。
ベストウォーリアは当クラブの馬も全部勝ち上がっていて好きな種馬ですし、
何より洋人先生にはお世話になっているし買ってあげたいな~と思ったのですが、
洋人先生が私の元に相談に来たのがちょうど馬が出てくる2つくらい前だったので
そんなレポも何も見ていないのに急に言われても即決出来ないよ!と。
それもそうだね、等と話してたらその馬が300万円で主取りになったので、
その場でパッとレポを確認し、250万円で再上場をかけにいきましょうかと交渉に行くも
生産者の方に「300万円以下では再上場を取らない」と頑なに拒否されてしまい。
ベストウォーリアの牡馬で300万円だったら安いかなと思ってこれを了承し、販売希望価格ピッタリで落札しました。
ちょっと小柄ですが、コスパ良く健康にたくさん走ってくれそうな感じの仔で楽しみです。

3日目~6日目
ダイヤインザラフの2024
2日目までは順調に落札していたのですが、3日目から一気に買えなくなり、3日目・4日目は丸坊主。
買えなかったものの毎日見て来た中で、いい馬が多いなと思ったのがインティ産駒。馬格がある馬が多く、トモや胸前の筋肉がしっかりとついている馬が多くて、
種付料がリーズナブルなためいずれ地方競馬で人気が出て来るだろうな~というのが容易に想像出来ます。
その中で5日目に軍師の目に留まったのが1023.ダイヤインザラフの2024。見ての通りの好馬体で、半姉のレディオインザラフが1週間前の門別・フレッシュチャレンジ1000m戦を勝ったばかり。
門別の牝馬重賞戦線で活躍出来そうでまさにニーズにピッタリ!と思ったのですが、この日まで結構予算よりちょっと上ぐらいで買えなかったというケースも多く、
「会田さんがそこで競っているといい馬でも深追いしないというのがばれて他の方が手を挙げて来ているのではないか」と軍師に言われ「なるほど」と思い
本気で落としたい馬はいつもの場所ではなく隠れて競る事にしました。
上記映像で「裏手のお客様」と言われているのが私なのですが、珍しく競り合って何とか400万円で落札。やった!!
淳司先生と記念写真を撮りに裏手に行ったら角川先生が見ていて、「いい馬買ったね~」と。
更に「インティは良さそうな仔が多いよな!」という話になって、やっぱり見ている所は一緒。
本馬は預託枠の関係でセプテンバーセール後に川島洋人厩舎に振り分ける事になりましたが
道営のリーディング1位2位の先生に褒めてもらったので、きっと走ってくれる事でしょう。

その後、サマーセール6日目は意外と価格が落ち着いて買えそうなシーンもありましたが、
狙っていた馬は落とせず全日程が終了。
6日間朝から晩までずっとセリ場に張り付いていたのでメチャクチャ疲れましたが、粘った甲斐あって納得の行く仕入れが出来ました。
早割の申込期間まで後4日となりましたが、これを参考に是非お申し込み頂ければと思います。