【特別コラム】石川優駿馬・ビバロジータの軌跡を振り返る(前編)

こんにちは、代表の会田です。先日、当クラブのビバロジータが金沢のダービー・石川優駿を制覇しました!!
共有オーナーから特別コラムを書いて欲しいとのリクエストがあったので、前後編に分けてビバロジータのここまでの軌跡を振り返ります。

ビバロジータとの出会い

ビバロジータとの出会いは2023年のサマーセールでした。父は前年まで2年連続JRA・地方総合のダートリーディングサイアーに君臨していたヘニーヒューズ。
母ビバエルフはJRA2勝、6頭の産駒の中から3頭の中央勝ち馬を輩出し、そのうち2頭が2勝を挙げていました。
4月生まれにしては馬格も充分で、三代母にあの名牝ロジータと来れば、普通に1千万以上してもおかしくないですが、何と誰にも競られる事なく一声で440万円(税込)で落札

ヘニーヒューズの種付け料(500万)以下での落札だったので、「会田さん、あの馬何かあるんでしょ」と色んな人からイチャモンをつけられましたが、コンサイナーの日高育成公社さんは自分も良く預託したりしていて友好度のあるところで、前年にスペリオルパンサーを買わせて頂いたとき、購買前にしっかりと骨片がある旨の説明を頂きましたし、(口頭で)レポジトリも問題ない事を確認済み。聞くと馬房に見に来る人自体が少なかったと言っていたので皆カタログの時点で買えないと諦めて牽制しあった結果、上手く落札出来たという事ではないでしょうか。

販売は低調でした

しかし、「父ヘニーヒューズ・田中淳司厩舎・ロジータの末裔」という三種の神器が揃っていたにも関わらず、いざ募集してみるとやはり何かあると思われたのか、募集価格900万(※)が割高と思われたのか、全然売れませんでした。もう2千万以上余裕で稼いでいるんですけどね…。

あまりにも売れないので2月には自ら現地取材に赴き、以下の集団の先頭走る調教動画もアップして、少し票は動いたものの結局6口売れ残り、7口自分で引き取る事になりました。

※募集価格は1歳12月までの預託料・2歳4月までの保険料込みの値段

フレッシュチャレンジを快勝!!

その後、能力検査は53.2の3着で合格も、正直そこまで目立つ動きという感じではありませんでした。
また坂路での調教のタイムが中々詰まって来ず、デビュー戦は8頭立ての5番人気。
いつも門別競馬を見ている方なら分かると思いますが、岩橋騎手・田中淳司厩舎で8頭立ての5番人気というのは、
騎手と厩舎で人気になっているだけで、かなりの低評価です。
しかし、能力試験で砂を被って後退した事を踏まえて、岩橋騎手が上手く砂を被らない競馬をしてくれたことで下馬評を覆す快勝!!
見事にデビュー勝ちを決める事が出来ました。

金沢へ移籍

しかし、前走の勝ちがフロックだと思われたのか、2戦目のウィナーズチャレンジでは7頭中7番人気で、レースも見せ場なく勝ち馬から5.5秒も離された最下位に。いきなりフレッシュchを勝ってしまったため、この後はOPしか出るところがなく、有力馬を多数抱える田中淳司先生からは「今の完成度だと門別のOPでは厳しいが、このメンバーで先行出来るので他場にもってけば活躍出来る」との進言があり移籍先を検討する事に。

本馬は三代母がロジータなので、移籍先を検討するにあたって真っ先に頭に入ったのが川崎競馬。
当時の事に詳しそうな川崎の山崎尋美先生に、当時ロジータに跨った事のある調教師などゆかりのある人物がいるか聞いてみたのですが、もういないようで「俺もロジータの調教乗りたかったけど調教師が野崎以外乗せなかったもんなぁ~」と。
それと田中淳司先生からは「テンションの高い馬だから、輸送のある競馬場はやめた方がいい」との事だったので川崎の案は断念。

そこで輸送の無い競馬場から金沢に白羽の矢が立ち、前年もスペリオルパンサーでネクストスターを狙いに行って3着だったので、リベンジを果たしたいなと加藤和義先生に相談したところ、「ちょうど石川テレビ杯で吉原が乗る予定だった馬(モカチャン)が故障してしまったので、直ぐ持って来てください!!」と非常にウェルカムな返事を頂いた事から、加藤厩舎に即決移籍しました。

石川テレビ杯を制覇!!

そして金沢に移籍したビバロジータは采配が見事にハマり、移籍緒戦で重賞・石川テレビ杯を制覇!!
昨年のスペリオルパンサー(2着)のリベンジを果たす事が出来ました。

しかし、あまりの即断即決の移籍だったためこの時私は金沢移籍が決まる前から予約していた韓国・ソウルの家族旅行に行っていて、代表馬主不在の口取りになりました。

気性難が露呈し始める

その次走、大場新悟ちゃん☆お誕生日おめでとう記念2歳2は地元デビュー馬限定の準重賞が一組に組まれ、
二組はビバロジータ以外勝利経験のある馬がいない単勝1.0倍の超鉄板レース。
前年のスペリオルパンサーのような圧勝を期待して私も現地に駆けつけたのですが、たったの4馬身しか差がつきませんでした。
勝つには勝ったけど関係者一同お通夜モードで、加藤先生が「(昨年から)代表が見に来ると良いレースせんなぁ~」と・・・。
また、1番人気だったため係員が落ち着くのを見てゲートを切ってくれたものの、
ゲートの中で立ち上がるような仕草を見せていたので嫌~な予感がしていました。

これが代表馬主の最初で最後の口取りに

そしてその嫌な予感が的中し、次の大一番のネクストスター金沢では大出遅れを喫する事に。吉原騎手が上手くリカバリーして2着まで来たものの、このあたりから気性難に悩まされる事になります。

続く金沢ヤングチャンピオンの頃には吉原騎手のお手馬のモカチャンが復帰したため、
少しでも本馬の癖を理解している騎手がいいと道営時代の主戦の岩橋騎手を呼んだにも関わらず出遅れ。
距離経験があるのは本馬だけだったので少し色気を持って臨みましたが、1700mは鬼門なのかウィナーズch以来の着外になってしまいました。

その後、吉原騎手が高知に期間限定騎乗に行ったため、加藤先生の息子の翔馬騎手に手が替わると条件戦を2連勝。

加藤調教師曰く、この頃の状態がビバ史上一番仕上がっていたとのことで、ネクストスターの頃にこの仕上がりだったらなぁと悔やんでいました。それと、この2戦は私が見に行かなかったので、代表馬主が来ないと勝つ説がまことしやかに囁かれ始めました。笑

年内の最終戦だけ4着になってしまったものの、この年9戦5勝の好成績でシーズンを終えました。


後編は明日の18時にアップします。