地方馬のJRA特指競走の出走条件

こんばんは、代表の会田です。

前回は、地方所属馬が出る事の出来るレースについて大まかに(特指)と(指定)の2種類がある解説させて頂きました。

今日はそのうちの一つ、(特指)競走の出走条件について説明していきます。

1.(特指)に出走出来る地方競馬所属馬

(特指)競走に出走出来るのは、地方競馬で行われる「JRA認定競走」を勝った馬のみになります。

JRA認定競走とは?

JRA認定競走はJRAが賞金の90%を補助している、地方競馬で2歳戦のみで行われる競走です。勝利すると(特指)に出走出来たり、JRAに移籍する際に馬房の優遇を受けたりする事が出来ます。

大井のみ「JRA指定競走」と呼びますが、呼び方が違うだけで基本的に一緒のものと思ってください。

認定の種類

認定には普通の「認定」と「上級認定」の2種類あります。

新馬・未勝利クラスで行われる認定が「(一般)認定」で、オープンで行われる認定が「上級認定」です。

現在では道営以外で新馬・未勝利クラスの認定が行われていないので、道営のフレッシュチャレンジ・アタックチャレンジ勝ち馬が「認定馬」、それ以外の全地方競馬場で認定・指定と名のつく競走は全て「上級認定馬」と考えて頂いて差支えございません。

上級認定馬の優遇

上級認定馬は、条件戦の(特指)で一般認定馬より出走馬決定順位が上がります。

また、一般認定馬は3歳500万下条件において、前2走のいずれかが5着以内でないと出走出来ないのですが、上級認定馬はそういった制限がありません。

2.(特指)の出走制限

4歳以上馬は出走不可

認定の効力は3歳までなので、4歳以上の馬は出走出来ません。例えば、2回函館の3歳以上のレースを見てみましょう。

一見、地方馬が出走出来る(特指)がたくさんあるのですが、これらは全て3歳馬のみ出走可能なレースで、4歳以上馬は出走出来ません。

巴賞が(指定)で、函館記念が(特指)なので一見巴賞を勝ったら函館記念へというローテが可能に思われますが、4歳以上馬は巴賞は出れても函館記念は出走出来ません。

なお、(指定)に条件戦はありませんので、地方馬が条件戦に出れるのは3歳までということになります。また、夏競馬が終わると1勝クラスの(特指)がなくなるのでご注意ください。

元中央馬・中央出戻り馬は出走不可

中央を抹消して地方に移籍した馬、地方で認定を勝った後に中央に移籍して再度抹消した馬は(特指)には出走出来ません。

3.(特指)の地方枠

特指については、特に定められていない場合2頭の地方枠が設けられているため、中央馬の収得賞金順とは別枠で出走出来ます。

4.出走申込出来る競走

出走出来るのは自己条件のみ

(特指)は自己条件でないと出走出来ません。
地方競馬で稼いだ収得賞金の算出方法はJRAの競馬番組一般事項iの4の(3)に詳しく書いてあるので抜粋します。

例えばハッピーグリンは、プリンシパルSで4着に終わった後(特指)のラジオNIKKEI賞という声が上がったのですが、上記の表に当てはめて収得賞金を計算すると1000万以下だったので(指定)の巴賞に回ったという経緯があります。

3歳500万下の特別ルール

3歳500万下条件においては、前述した通り一般認定馬は前2走が5着以内でないと出走出来ません。
また、3歳500万下条件においては、生涯に出走出来るのが3回までになります。但し、1回でも8着以内に入れば無制限に出走出来ます。

なぜこういうルールが出来たのかというと、たまたまメンバーに恵まれた認定を勝った勝ち目がないような馬で中央で乗りたい地方騎手を伴って頭数の少なくなりがちな3歳500万下の着賞金を狙いに来たりするのを阻止するためなのかな~と推測します。

5.道営内の内規

道営馬を良く見かける函館2歳S、コスモス賞、クローバー賞、札幌2歳Sなどの北海道シリーズの2歳戦では、ホッカイドウ競馬内で出走するための内規があります。なお、他地区からの遠征馬はこういう規定はありません。

…以上、分かりやすく解説したつもりですが、理解して頂けましたでしょうか?

次回は、(指定)の出走条件を見ていきたいと思います。