【特別コラム】石川優駿馬・ビバロジータの軌跡を振り返る(後編)

こんにちは、代表の会田です。先日、当クラブのビバロジータが金沢のダービー・石川優駿を制覇しました!!
共有オーナーから特別コラムを書いて欲しいとのリクエストがあったので、前後編に分けてビバロジータのここまでの軌跡を振り返ります。
※こちらは後編となります。前編はこちら

準重賞・若駒賞を快勝!!

金沢競馬のオフシーズンは、厩舎内で休ませる事も出来るのですが、馬場が使用出来ず乗り込みが出来ないので、休養は馬へのご褒美も兼ねて県内の屋内コースや坂路のある牧場(小松トレーニングセンター)にお願いしました。

しかし、休養先には本当に良くして頂いていたのですが、年末にあまりに仕上がり過ぎてしまっていたためか、休養でリラックスして帰って来てからうるささが鳴りを潜めてしまったようで、春先はまだ本来の調子を取り戻せていなかったようです。

せっかくの準重賞なので見に行こうかと思ったところ、加藤調教師が「正直、年末の状態にないのでネットで観戦していてください」言うので、臨場はしませんでした。

しかし、フタを開けてみるとメチャ強い4馬身差の圧勝!!

実は年末に2連勝していた時あたりから代表馬主が来ないと勝つみたいな話が定説になっていて、この弱気発言は私を来させないための作戦だったようです。

現地特派員からは加藤先生が代表を来させない作戦に成功してご満悦だったと報告が。とんでもない調教師ですね 笑

単勝1.3倍を飛ばす

若駒賞の圧勝もあり、次のノトキリシマ賞(牝馬限定・1500m戦)では単勝1.3倍の支持に。

この中間、加藤翔馬騎手も高知で初重賞制覇して期間限定騎乗から勢いに乗って戻って来ました。

前日に放送された「アタック!地方競馬」でも全員が二重丸をつけていて、鉄板だろうと思われていました。

しかし、今回はライバルのショウガマッタナシがメイチの仕上げで来ていて後塵を拝す事に。

今だから言いますがこの日は自分の中でも「まず負けないだろう」と思っていて

共有オーナーにも「来ないんですか?」と散々言われたのですが

私が現地に行くと負けると調教師に散々コケにされて全く歓迎されない感じがしたので

調教師にも共有オーナーにも行く事を内緒にして金沢競馬場の駐車場でレースを見て、

勝ったら「ほら、自分が居ても居なくても関係ないじゃないですか!」とドヤ顔で出て行こうと思ったんです。

しかし、私が見に行くとやはり負ける。単勝1.3倍でも負ける…。先生も半分冗談で言っていたのだと思いますが

このあたりでさすがに自分でも見に行ってはダメなんだなと自覚し始めました。

盛岡や水沢あたりは割と勝つんですが、金沢と門別は相性が悪く、きっと方角が悪いのでしょう。

ちなみにこの日、自分が観に行った事は共有オーナーにも調教師にも一切明かさず、墓場まで持っていこうと考えていました。

北日本新聞杯でまさかの逸走

そして、次走の北日本新聞杯はビバロジータにとって鬼門の1700m戦。

ここまで、1700m未満のレースは全て掲示板に来ていたものの、門別時代を含めて1700m戦は全て着外でした。

ここで加藤調教師が「今の成長したビバを吉原がどう乗るか見てみたい」と鞍上に久々に吉原騎手を配して

ライバルのショウガマッタナシより上の2番人気に支持されていたものの

何とスタートしてすぐのコーナーで外に大きく膨らんで最後方に下がってしまうというアクシデントがあり9着に。

さすがの吉原騎手でもあれではどうしようもありませんでした。

やはり1700m戦は長いという訳ではないものの、馬の集中力が持たないということで、

今後は6/29(日)の加賀友禅賞・3歳牝馬限定・1400mあたりを目標にしようと話していました。

しかし、加賀友禅賞までは少し間隔があり、ビバはテンションの高い馬なので

レースを使って発散していかないとまた変な事をしでかすだろうという話になり、

2000mが合うとは思わないが、共有オーナーも一生に一度のダービーに出たいんじゃないかということで、

無印でも石川優駿を叩きに使っていこうという話になりました。

石川優駿

石川優駿の頃には、年末の仕上がっていた頃のうるさいビバが戻って来たと加藤調教師が話しており、状態には自信がありそうでした。

鞍上は、当初の加藤調教師の案では、前走の逸走の事があったので普段調教に乗っている加藤翔馬騎手がいいだろうと。

しかし、加藤翔馬騎手は前走北日本新聞杯に乗っていたダンナイを頼まれていたので、吉原騎手で行く事になりました。

前走を踏まえると年末の連勝してた頃の内々で進める競馬が合っているなと思い、

内枠を引き当てて内ポケットで脚を溜める競馬が理想だねと話していたのですが

何と枠順が8枠10番の大外枠という最悪のところに。

しかも、追い切りでは内でダクを踏んでいる馬を見てコーナーで外に逸走するという、かなり不安のある状態でした。

作戦面は戦前には書きませんでしたが、「パシュをつけてスタート次第ではハナへ、行けなければ下げて吉原に任せる」との調教師の話でした。

そして迎えた大一番。当日は人気は吉原騎手が乗っているからか5番人気でしたが競馬新聞はほぼ無印でした。

レースはスタートで行き脚つかず、最後方まで下げてから内々で脚を溜める。

勝負所でインからじわじわと進出し、最後の直線先頭にいたショウガマッタナシを1馬身突き放し優勝!!

大一番での名手・吉原の肝の座った騎乗に本当にしびれました!!

あれだけ重賞を勝っている吉原騎手ですが、

加藤調教師も「入線前からあんなに大きなガッツポーズしたのは記憶にない」と言っていたので

自身もまさに会心の騎乗だと思っていたのではないでしょうか。

代表馬主としても、ダービーを獲ったのは初めてだったので、喜びもひとしおです。

あまりの神騎乗ぶりに、他の騎手も悔しさを通り越して感銘を受けていたようで、

以下の耳目社のブログが面白かったので是非ご覧ください。

そして、レース後、今だから言いますが…と加藤調教師に墓場まで持っていこうと思っていたノトキリシマ賞に臨場した話をカミングアウトしたところ

「あそこで負けるのおかしいな~と思ってたんやけど、やっぱりか!!」と。笑

自分は金沢競馬場へは二度と行かない方がいいかもしれません・・・。

次走は加賀友禅賞!!

さて、次戦は「金沢クイーン賞」と加藤調教師はインタビューで話していましたが、

相手関係や今後のローテーションの事なども考え、3歳同士のレースが良いということになり、

以前の予定どおり加賀友禅賞へ向かう事になりました。

ダービー馬になったことから人気すると思いますが、代表馬主が臨場しなければ勝率も上がると思うので、ここは何とか頑張ってもらいたいですね。