【コラム】預託繁殖牝馬産駒(当歳馬)の募集について2022
こんにちは、代表の会田です。
本日は預託繁殖牝馬産駒(当歳馬)の募集についてのコラムの2022年版をお届けします。
こちらを読む前に、昨年度のコラム(前編)(後編)をお読み頂くと、参考になるかもしれません。
昨年度の募集の振り返り
さて、預託繁殖の当歳の募集は、昨年度から始めたのですが、
昨年のリンデンブリューテの21(父トビーズコーナー)満口御礼となり、
結果的に大成功を収める事が出来ました。
ただ、地方馬主資格取得用に通年で募集出来る馬を用意しておきたいという
狙いもあったのですが、今年の5月までに満口になってしまって
本年度の募集までに4か月ほど空白の期間が生じてしまったのと、
1歳12月請求分までの預託料込みで募集しているのですが、
昨年の募集時から今まで飼い葉代の高騰などで預託料が結構上がってしまったため、
クラブの利ざやがほとんど無くなってしまって正直
「募集価格を安く設定しすぎた」という感は否めませんでした。
ただ、馬自体は本当に良くなっていて、もしセリに出したら
ちょっとあの値段では買えないだろうというデキになっているため、
出資して頂いた方に結果でお返しして喜んで頂き、
次の出資に繋げていければなと思っています。
預託生産をする意義
こないだ、twitterのSpaceで、とある馬主さん達が
サマーセールの反省会的な話をしているのを聞いていたのですが
その方たちは、生産馬をセリに出して高い評価を得たい、
正当な評価をされなかったら自分で使うみたいなスタンスだったんですよね。
でも僕はそれとは真逆で、セリで売る事は全く考えていなくて、
基本的には自分が考えた配合で、セリには出て来ないような
最強馬を作り上げたいというようなダビスタ的考えを前提としています。
そしてここ数年はセリの平均価格がどんどん上昇していますが、
セリでオーナーズクラブ向けの馬を仕入れる場合、
それがそのまま募集価格に跳ね返って来てしまいますから、
ある程度決められた予算で馬を探さなければいけません。
しかし、自家生産馬の提供を行えば、かかって来るコストは
繁殖牝馬親子の預託料と種付け料だけですので、
募集価格のコントロールを自分で出来ますから
例えばセリで買ったら何千万もするかもしれないような馬でも
安定した価格でクラブに供出する事が出来る。
そう考えていたのです。
実際にやってみるとこれが意外と難しい
僕はまず、2019年までに自分で使っていた3頭(アムネシア、リンデンブリューテ、ビーチキャンドル)を繁殖に上げて、
リスク分散のためそれぞれ違う牧場に預託しました。
将来的には当時JRAで活躍していた自身の所有馬であるハッピーグリンのお嫁さんにするという目的もありました。
ところが、リンデンブリューテ20は関節に水が溜まる病気で2度の手術を経て予後不良。
ビーチキャンドル20も生まれつきの腸閉塞で生後直ぐに亡くなってしまい、
アムネシアは難産で母子共に死亡。
繁殖を始めた初年度にに何と3頭仔馬が亡くなってしまうという非常に辛い出来事を経験しました。
その後、リンデンブリューテの仔は昨年満口になった2021、今年募集予定の202共に無事にすくすく育っていますが、
ビーチキャンドルの仔は2021は放牧中に鹿かなにかに驚いて猛ダッシュして別の母馬に激突し予後不良。
2022は上記の事故があったので他の親子と一緒に放牧しないように個別の放牧地で管理していたそうなのですが、
今度は母馬が仔馬を蹴ってしまう事故があり予後不良に。
「かかって来るコストは繁殖牝馬親子の預託料と種付け料だけ」という前述の考えは相当に甘かったようで、
生産者の方が、産まれた仔馬をセリに送り出して、正当に評価されるまでの苦労を、身に沁みて感じる事が出来ました。
・募集馬「リンデンブリューテの22」について
さて、前置きが長くなりましたが本年の募集馬リンデンブリューテの22の話です。
当オーナーズで募集後、満口御礼となったリンデンブリューテの21は父トビーズコーナーでしたが、
22は牝馬となり、父にエスポワールシチーを迎えました。
エスポワールシチーは現在のNARリーディングサイアーの首位を邁進しており、
気性がピリッとしていて短距離向きの産駒を出す事から
ポスト・サウスの一番手とも言える種牡馬です。
母父キングカメハメハは中央・地方総合のBMSリーディングを独走しており、
サンデーサイレンスの3×4クロス持ち。
まさにベスト・トゥ・ベストとも言える配合ではないでしょうか。
募集写真は8月上旬に撮影したもので、4月生まれなのでまだ幼く見えますが、
日々、馬がどんどん良くなっているのが分かるくらい、良い成長曲線を描いています。
こちら、8月下旬に撮影された写真で、募集写真の僅か半月後くらいに撮影されたものですが、
これを見ただけでも馬体の印象がガラッと変わったなというくらい良くなっていますよね。
馬体も同世代の牝馬と比較すると大きい方ということで、
恐らく470kg台ぐらいまでは成長すると見ています。
半兄も既に466kgあり、4月生まれでまだまだ成長が見込めるので、
サイズに苦労する事はないでしょう。
気性もスイッチのオンオフがはっきりしていて、
飼い葉のときは親や相棒馬を威嚇して他の飼い葉を奪い取る勢いなど食欲旺盛です。
田中淳司先生に、写真を見せたところ「スピードがありそう」と言っていで、
実際歩かせてみるとまさにそんな感じですので、
早期デビューから、エーデルワイス賞を頂点とした道営の牝馬戦線で活躍してくれる事を期待です。
以上、預託繁殖の産駒のレポートになりました。
間もなく募集開始となりますので、是非宜しくご検討の程お願いいたします。