【コラム】HBAサマーセール2023レポート(後編)

*3日目

昨晩は体調が持ち直したことから、セリが終わった後にお酒を飲んだのですが、これがまずかったのかこの日は体調が最悪で熱っぽく咳まで出始める始末。

セリが終わった後サマーセールでコロナにかかったという人が続出していたので、今思えば自分も知らぬ間に罹患していたのではないかという気がします。

そんな感じなのでこの日も一斉展示はパスしてお昼前くらいに臨場し、先生がピックアップした馬を馬房や周回展示で見て、気に入った馬に手を挙げていたのですが、軒並み一千万超えでなかなか落ちず。やはり先生が選んだ馬は良い馬なので、カタログを見て「これ?」という馬でもみんな価格が跳ね上がります。

中でも落とせそうで落とせなかったのが815番のプロディジャス2023(父パイロ)。300万円のスタートで値刻みが細かいので買えるかなと思ったらじわじわと上がってしまい。牝馬で500万円を超えると予算的にもう限界だったのですが、520万円の次に550万円と言われてしまったので、530万円!のつもりで左手に5、右に3のサインを出したら、「800万円!?」と言われてしまい。周りにいる人に大爆笑されました。傑作なので動画の6:20:51あたりをご覧ください笑

そして822番のビバエルフ2022(父ヘニーヒューズ)。JRA2勝の母で、6頭の産駒の中から3頭の中央勝ち馬を輩出し、そのうち2頭が2勝。4月生まれにしては馬格も充分で、近親にあの名牝ロジータと来れば、1千万くらいしてもおかしくないですが、ダメもとで手を挙げてみようと、お代が500万のところを、400万で取ってもらいました。
そうしたら、誰も手を挙げることなくあっさりと一声で落札。ええっ!?ヘニーヒューズの種付け料(500万)以下ですよ・・・。

僕と先生で顔を見合わせて、まず真っ先に何かあるのではと疑いましたが、何もないんだそうです。レポジトリも大丈夫ですし、聞くと馬房に見に来る人自体が少なかったと言っていたので皆カタログの時点で買えないと諦めて牽制しあった結果、上手く落札出来たという事ではないでしょうか。

落札した瞬間から「会田さん、あの馬何かあるんでしょ」と色んな人からイチャモンをつけられましたが、コンサイナーの日高育成公社さんは、昨年はスペリオルパンサーを買わせて頂いたとき、購買前にしっかりと骨片がある旨の説明を頂きましたし、当クラブのムットクルフェや、個人所有のネコネコロコガールを育成してもらった信頼関係があるところなので、何かあるならはっきりと言ってくれるはずです。

敢えて欠点と言えない欠点を粗探しするとすれば、脚着きがあまり良くないですが、先生曰く「こないだ重賞勝ったシシャモフレンドだってこれくらいの脚着きだから全く問題ない」との事でした。

上述の落札の経緯をtwitterに書いたら、当クラブで共有されている会員さんから今までにないくらいたくさんの問い合わせを頂いて、おそらく募集したら秒殺が予想されることから、ちょっと価格に色を付けさせて頂きましたが、個人的にはそれでも適正価格より安いと思っています。ヘニーヒューズはちょっと地方入厩には敷居が高いのですが、上手く買う事が出来て、大満足でした。この日から大井の鈴木先生が来たので、セリ後富川でみんなで食事しました。

*4日目

3日目までに既に昨年と同じ頭数を揃えていたので、後はセプテンバーセールでも良いかなと思いつつこの日も先生とあれこれ言いながら色々手を挙げたりしたのですが、この日は先生が重賞があるため早く帰ってしまったので、1人で最後まで粘りました。

終盤に目立つ馬体の上場番号1126のホッコータルマエが500万円で主取りになっていて、ブラックタイプも良く、レポジトリも問題なし。再上場を申し込みに行ったら、既に申し込まれていて、最後から2番目の競りになりました。
しかし、400万円から競っていくと結局元の500万円に戻ってしまい、お得感無いな・・・とここで諦めてしまいました。

今思えば、相手も同じ事を思っているので510万円まで行けば降りてくれたかなと思ったのですが、昨日のヘニーヒューズの成功体験がどこか頭をよぎってしまって行き切れなかったんですよね。この馬もブラックタイプ的にとても500万円で買える馬ではないと思うのですが…ちょっと惜しい事をしました。

この日は先生が門別最終の重賞に臨場のため、富川で知人馬主と鈴木啓之先生の3人で食事して帰りました。

*5日目

この日は先生が帰った後No.1343の良さそうなパイロ産駒・バンダの2022が500万円で主取りに。

先生と事前打ち合わせは全くしていなかった馬なのですが、先生は「兄弟があまり走っていないのでオススメしなかったけど、母馬はオヤジの所にいた馬だから良く知っているし、この馬自体は凄くいい」と評していました。

馬房まで見に行くと、「見に来る人はたくさんいたんだけどレポジトリに影があって左飛節のOCDが取り切れていないように見えるのが嫌われたのではないか」ということ。

これは困った時の瀬瀬先生ではないか?と思い聞いてみると、6月末にOCD除去手術をして、手術して直ぐレントゲンを撮影したため、オペをした部分に影があるように見えるという事なんだそうです。

というか、このレントゲンを撮影したのが瀬瀬先生のところ(エクワインレーシング)だったらしく、全く問題ないと太鼓判を押して頂きました。

再上場を申し込むと、既に再上場が決まっていたので、僕の後に山崎尋美先生が熱心に見ていたので、「申し込みました?」と聞いたら「はい」と。
僕600万くらいまでは行きますよ、と言ったら、じゃあ諦めますという感じで、ライバルがいなくなったかなと思ったら、いざセリが始まってみると結局他にも2人くらいいて。みんな瀬瀬先生に聞いたのでしょうか?笑

結局元の値段より競り上がって、予算ギリギリの610万で落札しました。それでもこのデキのパイロ産駒にしてはかなり安い方だと思います。

馬体は短距離志向にも見えますが、パイロ産駒は距離が持つ馬も多いですから、門別デビューから再来年の3歳ダート三冠を目指したいですね。

Tシャツのびしょ濡れ具合がいかに暑かったかを物語っています

と言うわけで、セプテンバーセール以降のせりで買うつもりが、上手くサマーセールで買えてしまいました。

高い高いと言われていた今年のサマーセールで、競り合う事なくお代以下の一声や再上場で落札する等上手く立ち回って安く購買が出来たかなと思っています。

全馬自信を持ってお薦め出来る馬なので、皆さまぜひ宜しくご検討の程お願いいたします。

明日は預託繁殖牝馬産駒の紹介コラムをお送りします。