【コラム】HBAサマーセール2026レポート(前編)
こんにちは、代表の会田です。
今年も恒例のHBAサマーセールに参加し、当クラブでは6頭を購入・募集させて頂きました。
今回も前編・中編・後編の3回に分けて、前編では昨年の振り返りと今年の選馬方針等について、中編・後編では今年のサマーセール6日間の実録レポートをお届けしたいと思います。
サマーセールは当クラブと相性が良いセール
当クラブではこれまで4頭の重賞勝ち馬を輩出していますが、そのうちブラックバトラーを除く3頭がサマーセール出身です。
特に今年は、一昨年の募集馬であるアストラビアンコが東海優駿を制覇するなど、重賞4勝の活躍を見せてくれました。
昨年のビバロジータによる石川優駿制覇に続き、2年連続で異なる地区の地方競馬のダービーを優勝。
地方競馬とはいえ、ダービーは各競馬場に携わる多くのホースマンにとって大きな目標の一つであることに変わりありません。
そうした舞台を2年続けて勝たせていただけたことは、非常にありがたく、クラブにとっても大きな財産になったと感じています。
おかげさまで当クラブも創設7年目を迎えますが、近3年間の地方重賞勝利数に関しては、大手の共有オーナーズを含めてもNo.1の実績を残すことが出来ています。
ただ、ここ数年は当クラブの仕組みや考え方を参考にしたとお話しいただく新しい共有オーナーズも増えて来ました。
だからこそ、これまでの実績に甘えるのではなく、先に始めた側として恥ずかしくない運営を続け、毎年きちんと結果を積み重ねていかなければならないという責任も感じています。
そうした思いも持ちながら、今年も良い馬を見つけるため、気持ちを引き締めて選馬に臨みました。

昨年の振り返りと今年の選馬のテーマ
さて、昨年のサマーセールのコラムでは、
「地方馬が一番勝ちやすいダートグレード競走はエーデルワイス賞」
という話を書きました。
テーマに沿って選馬した結果、昨年募集した牝馬ではロゼットリボン、ソルフィオラ、クリームパンの3頭がJRA認定競走を勝つことが出来ました。
ロゼットリボンはフレッシュチャレンジを勝つと、続くウィナーズチャレンジも勝ってデビュー2連勝。
その後の重賞・栄冠賞でも5着に入り、世代上位の力を見せてくれています。
クリームパンも未勝利、アタックチャレンジを連勝し、先月の重賞・フローラルCでは4着。
レースを使いながら、着実に力を付けています。
ソルフィオラについては、浦和のルーキーズサマーカップを狙うため早い段階で南関東へ移籍しましたが、残念ながら故障してしまいました。
順調であれば、あのレースでも良いところまで行けたのではないかと思っています。
そう考えると、昨年の牝馬の選馬については、方向性としては悪くなかったと考えています。
ただ、今年の門別牝馬路線にはセルアウトクラウドという非常に強い馬がいます。
ロゼットリボンもクリームパンも2勝馬なのでエーデルワイス賞に出るだけなら出られると思いますが、
現時点では、この馬には敵わないかな、というのが率直なところです。
一方で、この2頭も他地区であれば十分に重賞を狙えるだけの力はあると思っていますので、今後は金沢シンデレラカップや盛岡のプリンセスカップなど、グランダム・ジャパンの地方全国交流の牝馬重賞を積極的に狙っていくつもりです。
ただ当クラブは地方重賞は9つも勝たせて頂いており、次に欲しいタイトルはやはりダートグレードです。
来年こそ、本気でエーデルワイス賞を狙える牝馬を仕入れたい。
これは今年も変わらず、大きな選馬テーマの一つにしました。

牡馬は「中距離まで持ちそうな短距離馬」をテーマに
一方で、昨年の牡馬については少し反省点もあります。
ヴェントチェーロ、クレイファントム、オーラムブレイズなど、それぞれレースを使うごとに良くなっていますし、個人的にはどの馬もこれから走ってくる馬だと思っています。
ただ、共通しているのが、「いかにも中距離馬」という点です。
門別の2歳下級条件は1000m・1100m・1200mといった短距離戦が中心です。
ところが、いかにもマイルから中距離で良さそうな馬を買ってしまうと、番組が少なく1つ勝ち上がるのが大変になります。
地方競馬の場合、まず短距離で勝ち上がっていかなければ、中距離の上級レースになかなか出ることが出来ません。
アストラビアンコのように将来的に中距離で強くなる馬でも、2歳時に1200m戦のスピードについていけなければ、そもそも出走出来る番組が限られてしまいます。
昨年はそのあたりを少し中距離適性に寄せ過ぎたかなと考えていますので、
そこで今年の牡馬については、
「短距離で勝てるスピードがある中距離馬を探す」
を一つのテーマにしました。
短距離系の種牡馬でもヒガシウィルウィン(父サウスヴィグラス)のように距離が延びても対応出来る馬もいますし、
ゴッドバロックのように短距離で強い馬でも中距離系の種牡馬のポテンシャルで距離が伸びても対応できる馬もいる。
そういうタイプが地方競馬では非常に強いと思っています。
1200mでも勝てるスピードがあって、最終的には中距離~マイルにを伸ばしても対応出来る。
今年の牡馬については、そうしたイメージを持ちながら選んできました。
今年からは原則全馬門別デビュー
もう一つ、今年から大きく方針を変えた点があります。
3年前のステイクラッシーの活躍で味をしめた事もあり、昨年は門別・岩手以外に大井・高知デビュー馬を用意させて頂きましたが、
今年のサマーセール購買馬からは、原則として全馬ホッカイドウ競馬デビュー予定とさせて頂きました。
昨年は少し買い過ぎてしまい現2歳馬はセリと自家生産で13頭いるのですが、頭数が多かったので全頭を門別へ入れてしまうと
クラブ馬同士の対戦が増えてしまうと考え、高額な補助金制度のある大井や岩手、また地元デビュー馬限定競走が充実している高知などにも募集馬を用意しました。
ただ岩手のナナイロ、高知のポプリノカオリがゲートに苦労し、競走馬になれないのではという事象が発生しました。
岩手にいたナナイロについては入厩から2ヵ月以上経っても一向にゲート試験を受ける事が出来ず、
先着順の岩手デビュー馬補助金を頂くのが困難になってしまったため、2歳馬なら馴致から行う事もある門別の調教師に任せた方が良いだろうと考え
早期に門別へ移籍させてみると、そこからわずか2か月ほどでデビューまで持っていって何とか新馬戦(フレッシュチャレンジ)に間に合わす事が出来ました。
ただ、その後岩手にお住まいの共有オーナーさんとお会いした際に、「本当は岩手で見たかったから共有したのですが…」と言われてしまい、
高知のポプリノカオリも高知在住の共有オーナーに買って頂いていますし、打越厩舎が良くて買って頂いたのもあると思うので中々移籍を決断出来ずにいました。
しかしゲート練習で覆面を行ったところ馬が突進して厩務員を怪我させてしまった事をきっかけに門別に移籍すると、
ゲート練習を開始してからわずか3日でロープ無しで入るようになりました。
前所属の先生方は当地のリーディングなので、決して先生方が悪い訳ではありません。
ただホッカイドウ競馬の調教師は、毎年1歳馬の馴致から携わっており、若駒の扱う関するノウハウに関してはやはりレベルが違うなと感じました。
この経験から、最初から考え方を整理しておいた方が良いと判断しました。
当クラブの強みは、「最初に決めた競馬場でずっと走らせること」ではなく、
実際に走らせながらその馬の適性を見抜き、一番活躍出来る競馬場を探していくこと
だと思っています。
門別で走らせてみて、小回りがいいのか、広いコースがいいのか。
南関東で走らせるか、他地区の重賞を狙っていくか。
そういった適性を見ながら、その後の所属先を考えていく。
このやり方が、結果的には馬にとっても共有オーナーの皆様にとっても一番良いのではないかと考えました。
そのため、今年の1歳募集馬については、基本的に全馬門別デビューとさせて頂きます。
もちろん、育成の進み具合から見てフレッシュチャレンジが行われている8月までにデビュー出来そうにない・能力検査の結果から見て大井デビューに切り替えた方が稼げそう等の場合は高額な育成馬補助金を頂ける大井競馬でのデビューに切り替えていく事もあると思います。
ただ、まず門別で競走馬としての土台を作ってもらう。そして能力検査を経て適性を確認した上で、その後の進路を考えていきます。
どこの競馬場に行くかはガチャ的要素になってしまうので所属競馬場を重視される方には申し訳ありませんが、その場合は既走馬オーナーズの「ハッピーオーナーズクラブR」で、その競馬場所属の馬をお選び頂けたらと思っています。
サマーセールの高騰
そして、今年のサマーセールについて触れておかなければならないのが、馬代金の高騰です。
今年はサマーセールでも牡馬の平均価格が1000万円近くまで上がってきました。
会場にも非常に多くの購買関係者が訪れており、6日間を通して大変活気がありました。
少し前までなら、サマーセールで1000万円といえばかなり高額な部類でしたが、今では良いと思った牡馬はごく普通に1000万円を超えていきます。
地方競馬の賞金水準が上がり、ダート競馬そのものへの注目度も高くなっている中で、ここ数年ずっと馬代金の高騰を感じていましたが、今年は特に「馬バブル」と言っても良いような相場だったと思います。
当然、相場に合わせて高い馬を買えば、頭数を揃えること自体は難しくありません。
ただ私は馬主というのは「いかに馬を安く仕入れて高額な賞金を得られるかというゲーム」である側面があると思っていて
当クラブとしては、馬代金が上がったからといって募集価格まで際限なく上げていくつもりはありません。
共有オーナーの皆様が、無理なく、長く地方競馬を楽しめる価格帯を守ることも大切だと考えています。
ですので今年も、「この馬はいくらまでなら買いたいか」という価格を自分の中でしっかり決めて、それを超えたら追わない。
高くなれば諦めて、また次の馬を探す。これを6日間繰り返しました。
結果的には、これだけ馬代金が高騰した中でも、自分なりに納得出来る値段で、共有オーナーの皆様に楽しんで頂けそうな6頭を仕入れることが出来たと思っています。
では、
なぜ今年の相場の中で、この価格で買うことが出来たのか。
もちろん、単純に安い馬を探したわけではありません。
馬の見方だけでなく、セリの流れ、上場順、人気、レポジトリー、そしてどこまでリスクを取れるのか。
そうした部分も含めて、今年も考えながら競ってきました。
そのあたりの戦略については、次回からの実録レポートで詳しく書いていきたいと思います。
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