【コラム】HBAサマーセール2024レポート(後編1)

こんにちは、代表の会田です。コラム後編はセリの実録レポートですが、また長くなってしまいましたので後編を2つに分けたいと思います。


さて、今回のサマーセールは6日間のロングラン。そして、日中の気温が30度を超えた昨年と違って、やや過ごしやすい予報になりました。
前日のJAL最終便で北海道入りし、この日は千歳に宿泊。

いつも前泊はホテルの「無料お茶漬けサービス」が嬉しい、ホテルグランテラス千歳にしています。

初日

朝から車を2時間飛ばして、静内入りします。

先生と合流し、1巡目から馬を見ましたが、1日あたりの上場頭数が少なくなったので、一斉展示の時間がえらい短くなったなと感じました。

選ぶ側にとっても1日あたりの頭数が少ない方がよりじっくりと見れるので良いですね。

さて、昼食時に今日はどの馬を狙っていこうかと打ち合わせ。

先生もいろんな馬主さんに馬の購入を任されているから、僕は安いやつでいいですという話をしていた中でお薦めされたのがこれ。

正直言うと、バゴなんて普段気にも留めない種牡馬なのでどうなのかと思いましたが、とにかく馬格があって、引き手の方をグイグイ引っ張って歩くような感じ。

恐らく510~520kgぐらいでのデビューとなると思われ、競馬ではフジユージーンのような、パワーで引っ張っていくような姿がイメージ出来ました。

管囲22.0と太いですが、「これくらいの馬格なのだから、むしろそれくらいしっかりしていた方が、丈夫で良さそう」と先生。

血統的にも母父クロフネは秋華賞とグランプリ三連覇でGI・4勝のクロノジェネシスと同じ配合で、

同馬は不良馬場も苦にしないような馬だったから、ダートも大丈夫でしょうと。

むしろ、認定獲得できるくらいの力があれば、コスモス賞やクローバー賞などJRA北海道シリーズにも使いに行けるので、

「やってみたいなあ!」と、先生の強い推挙があったので、400万円ぐらいで落とせるなら、と参戦しました。

一声で落ちるか?と思ったのですが、ハンマーが落ちそうなギリギリで裏手の方から競られてしまい、

予算の400万円まで行ったので、あと1回行って、取れなかったら諦めましょうと先生に言われて、

420万円で落札。やった!!

たまたま本馬を導入した直後の週末にバゴ産駒のトータルクラリティが新潟2歳Sを勝利して、まあ今さら種牡馬の評価が上がるという事は無いでしょうが、何だか嬉しいですね。

2年後には「芦毛の怪物」と呼ばれるような馬に成長してくれる事を期待です。


その後入札に参加しようとしたのは176番のサンマルリトリートの2023。

朝の一斉展示で見て先生と良い馬だねと意見が一致して、旋回癖があったので安く買えないかなと、馬房まで見に行きました。

牧場の人に聞くと旋回癖は常に馬房の中で行っているという訳ではなく、飼い葉を待っている時などに少し行う事があるという感じで、実際見に行った時も旋回は行っていませんでした。

「旋回癖で嫌われるならアリだね」と、入札に参加する事を決めたのですが、何とお台を見ていなくて、いきなり700万からのスタートで迷っているうちにチーン。。。

初日でみんな様子見しているのか相場が上がらない中、ちょっと強気な価格設定だったので売れ残ったのだと思いますが、セール6日間を通して見てみるとクリソベリル産駒の平均価格1165万円(牡1389万・牝1014万)だったので、700万は安かったんじゃないかと。

むしろ、これだけの馬なら、出品された日にちが違えば1千万超えていただろうと思って先生に後日牧場さんに交渉してもらい、購入する事になりました。

この馬は目玉商品的な感じで人気になるだろうなと思いましたが募集開始から1週間程度で満口に。皆様たくさんのお申込みありがとうございました。

クラブ所属のムットクルフェやブラックバトラーのような中距離王道路線で打倒中央を目指したいですね。


その後、セリは着々と進んで行ったのですが、たまたまゴールドアシュレイの23が主取りになった時、

「これ、今朝目に留まったんだけど良い馬だったんだよ、血統も良いし。ただ、馬体が390kg台と小さい。ただそれだけなんだよね」と田中淳司師。

リアルスティールは北海道2歳優駿を制したフォーエバーヤングだけでなく、北海道スプリントC(JpnIII)をチカッパが制しており、門別重賞への適性があると。

母系からはレコパンハロウィーのように小さい馬でも活躍馬が出ている事、5月産まれでまだ大きくなる余地があることから、これからの成長を見込めるのではないかと意見が合致。

たまたま、飼養者が、ビバロジータやハッピーグローリーの外厩でお世話になっているディーエスファームさんだったので、

主取りになった後、馬を追いかけて代表の堂本さんに「150万とかで再上場出来ないか」と聞いてみたところ、生産者さんを呼んできてくれて、OKということに。

誰か1人でも競ってきたらやめようと話していたのですが、それで誰も競って来る事なく買えました。やった!

落札後、「買って頂いちゃってすいません~」と堂本代表がニコニコしていましたが、

種付け料300万円の父馬に、きょうだいにJRA勝ち馬が2頭いる母馬の産駒がこの値段で買える事は中々ありませんから、こちらこそすいませんという感じ。

ディーエスファームさんは馬体重を増やす事に定評があると田中淳司先生に前々から伺っていたので、育成もそのままお願いする事にしました。

父馬の産駒は硬い動きをする馬が多いですが、本馬は柔軟性も高そうな印象を受けます。これからの育成状況を見て、門別のタフなダートもこなせるような馬体に成長して来るようであれば門別競馬で、

芝や軽い馬場の方が向きそうな場合は昨年のステイクラッシーのように補助金を貰って岩手競馬でデビューする事を検討しています。

最終の再上場だったので、辺りはすっかり夕方になっていました。

初日を終えての感想

初日を終えてみての感想は、「昨年までのサマーセールに比べて買いやすかった」ということ。

僕の分析では、まず2000万円以上の馬に1000万出すといったような、大井の馬主会購買が

事後申請方式になった事が1つの理由に挙げられると思います。

これにより当選ありきで高額馬を買う人が減った。結構「改悪だ」という声が多いみたいですが、僕は無駄にせり上げられる事が無く、当選倍率も高くなるので、逆に良くなったんじゃないかと思っています。(大井の馬主会購買毎年申し込んでいるのですが当たった試しがないので)

そして、セレクションセールが3日間になって良い馬がみんなそっちに行ってしまったので、上場頭数が多い割に目立つ馬が例年より少なく、

普段ならもっと成長を促した方が良さそうな、オータムに出てくるような馬がサマーにも出て来ていたような印象です。

となると、今年はセプテンバーにセレクションの売れ残りが出てくるので、オータムにあまり良い馬が回って来ない可能性があり、

セプテンバーまでにある程度の頭数を買っておきたいな、と心に決めました。


以上、長くなりましたので、後編-2に続きます。筆が遅くて申し訳ませんが、何とか早割期間中にアップしたいと思います。