【コラム】預託繁殖牝馬の当歳について

こんばんは、代表の会田です。本日は、預託繁殖牝馬の当歳「ビーチキャンドルの2023」について紹介したいと思います。

なお、2年連続で募集していたリンデンブリューテは不受胎で当歳の産駒はいません。1年空胎休ませて今年はインカンテーションを種付けしています。

母馬「ビーチキャンドル」について

優勝した2019/8/20の水沢戦。鞍上は懐かしの菅原俊吏騎手。

ビーチキャンドルはロードカナロアの初年度産駒で、代表・会田がサラブレッドオークションで購入後当クラブでもおなじみ水沢・伊藤和忍厩舎所属で活躍(2勝)しました。

会田調べでは、恐らく盛岡競馬場で初めて走ったロードカナロア産駒になります。

母馬は白内障で片目の視力が弱いとサラブレッドオークションの説明文に書いてあったのですが(当時から片目が白濁していました)、成績を見てもらえれば分かる通りすんなり逃げれれば圧勝、外から来られたりすると怖がって走るのをやめ大敗してしまうという極端な戦績でした。中央で2着まで来ていますが、この目の病気が無ければ中央でも勝っていたと思います。

その後、視力がほとんど無くなった事から伊藤和忍先生が北海道大学で白内障の目の手術が出来るという情報を仕入れて来たので、一度現在の預託先でもある賀張宝寄山育成牧場に放牧に出し、手術をしてもらう事になりました。

ところが獣医さんが詳しく調べてみると、白内障ではなく緑内障だったようで、手術は出来ないということでした。ガーン・・・。

ちょうどその頃、アーモンドアイが牝馬三冠を達成し、ロードカナロアの種付け料が2千万円になると発表され、せっかく北海道に輸送したし岩手に戻して競馬をするよりも繁殖価値の方が高いのではないかと考え、ハッピーグリンが引退したら将来的にお嫁さんにする事を見越してそのまま賀張宝寄山育成牧場さんで3歳にして繁殖入りさせる事になりました。

上手くいかない繁殖生活

4歳時の2019年はエスポワールシチーを種付けし、2020年に待望の初仔(牡馬)が生まれました。
ところがこの仔は生まれながらにして先天的な病気を持っており、生後すぐに亡くなってしまいました。

2020年は、コパノリッキーを種付けし、2021年に第2仔の牡馬が生まれました。

ちなみにこの配合は前年に本馬を手掛けていた伊藤和忍先生がパンプキンズで東北優駿を優勝し、その副賞であるコパノリッキーの種付け権をオーナーで原価で譲ってもらったものを付けさせて頂いたものになります。いわゆる「伊藤配合」ですね。笑

この仔は生後一度だけ会う事が出来たのですが、その後放牧中に鹿か何かに驚いて、パニック状態で他の繁殖牝馬に猛ダッシュで激突して複雑骨折をして死亡してしまいました。馬格のある牡馬だったので本当に勿体なかったです。

2021年は牧場さんのお薦めでアメリカンペイトリオットを種付け。そして2022年に第3仔の牡馬が生まれました。何とまたまた牡馬。
前年の事故があったので、同じ事が起こらないようビーチキャンドル親子だけの専用の放牧地を用意してもらいました。
この仔は丁度昨年のセレクトセールの2日目に会いに行ったのですが、何と会いに行った数十分後くらいに、母馬に蹴られて亡くなってしまいました。さっき会ったばっかりなのに何で!?とかなり気が動転してしまったのですが、何でも母馬が虫か何かが気になって避けるために蹴りを繰り出したところ、片目が不自由だから横に仔馬がいるのが気づかず蹴ってしまったとのことで、視力のハンディは繁殖入りしてからも続くのか・・・と大変残念に思いました。

2022年は2020年のコパノリッキーのフリーリターン権があったので、これを行使して再びコパノリッキーを種付け。そして生まれて来たのが本馬になります。

ちなみに、ここまで4年連続牡馬で、産駒がみんな馬格がある事から、2023年は牡馬に出ると良い産駒を出すオルフェーヴルを種付けしています。(でも、こういう時に限って牝馬が生まれて来たりするんですよね・・・)

本馬について

今年の3月17日に生まれた本馬は、前述の事故があったので、乳母をつける事も検討したのですが、借りるのに100~150万くらいするらしいので、育成馬保険でカバーして、他馬より早めに離乳させようという事に落ち着きました。

生後2週間くらいの放牧中の様子。パッと見黒いですが、これでも芦毛です。

一度生後2ヵ月くらいの時に放牧中に見に行ったのですが、牧場の方に既に駆け足も母親より速いと評されており、まるで上の3頭が亡くなったのが分かっているかのような超健康優良児だそうです。既に離乳しているのですが、他馬に良くみられるような下痢なども全く見せません。とても賢い子で、僕が見に行った時も放牧中に母親が虫を気にして蹴りを繰り出したりしていたのですが、それをサッと回避する危険回避能力も備えていました。

馬体重は同世代の牡馬と比較しても大きい方で、既に250kgを超えており、500kg手前ぐらいでの競馬を見込めるのではないでしょうか。大きな馬体からは門別競馬場のような広いコースが合いそうで、8戦無敗で東海ダービーを制した父の代表産駒であるセブンカラーズのような、中距離王道路線での活躍を期待したいところです。

最後に

本クラブの当歳募集は3年目になりますが、デビューまで長く成長を楽しめる魅力があります。募集価格は1歳12月までの預託料、育成馬保険料込みですので、一度買ってしまえばしばらく出費はありません。

購入後は、もちろん牧場まで見に行って見て頂く事も可能です。当歳中に買って頂いた場合は、2.5万円引の「早割」がありますので是非宜しくご検討ください。

募集は1歳馬3頭と一緒に明日9/14の正午から開始します。皆様のお申込、お待ちしておりますので宜しくお願いいたします。